ロバート・マラスコ『家』 Burnt Offerings (1973)

こんばんは、皆様、三頌亭です。この前、Valancourt Booksのカタログを見ていたら思い出したので紹介いたします。ロバート・マラスコの「家」であります。本格的なゴシックホラーの典型的な作品ですね。幽霊屋敷ものではマイルストーン的作品だと思いますが、現在では忘れ去られたベストセラーの感があります。「意志を持つ家」というところがこの作品のモダンホラーとしてのオリジナリティだろうと持っております。簡単なあらすじは下のコピーを見ていただくとして・・・、「ひと夏の経験」幽霊屋敷版ですw。また、大筋のプロットをほぼ踏襲した、「ひと冬の経験」幽霊屋敷版がこの作品の5年後に出たキングの「シャイニング」です。季節に合わせてお読みいただければぐっと興が乗ることと思いますw。以前はハヤカワ文庫のモダンホラーセレクションに翻訳が入っていたと思いますが、残念なことにいまは品切れです。古書にてお読みください。

ところでこの作品は映画化もされてまして、そこそこ出来が良かったと思います。これはデジタルリマスターされた版が出ているそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=98EcIOUKP1g
この後観たキューブリックの「シャイニング」のインパクトが凄かったので、忘れてました。ただ、プールのシーンからラストあたりのことをよく憶えていて、そこはかとなくラストが怖い作品でしたね。


出版社紹介
「暑苦しく、騒がしいニューヨークを逃れて、ひと夏を郊外の別荘で快適に暮らしたい…。誰もがいだく望みを、ロルフ一家は実現することができた。美しい自然にかこまれた、壮麗で古風な屋敷、しかも、賃貸料は格安。ただ、ひとつだけ奇妙な条件があった。「家」の所有者の兄妹が留守のあいだ、老母の食事の用意をして欲しい、というのだったが…骨薫品がみちあふれた壮重な屋敷で次々と起こる奇怪なできごと。高まるサスペンス、蝕む狂気。やがて恐怖の幕は開いた!」

f:id:kms130:20190303184819j:plain

ロバート・マラスコ『家』