T・E・D・クライン「復活の儀式」(創元推理文庫:2004)

こんばんは、皆様、三頌亭です。今日は読み残しの本のなかからご紹介いたします。T・E・D・クライン「復活の儀式」です。結構分厚いのが上下巻に分かれて2冊あります。始末の悪いことに下巻が見つかりませんw。なので仕方なくebookで残りを読みました。オリジナルの英文のほうは思ったより読みやすくてよかったです。この前紹介した短編「ポーロス農場の変事」を長編に引き伸ばしたものなのですが、たるみなく読ませるところは大した手腕だと思います。エピグラムにマッケンが出てきたり、主人公がゴシック文学の研究家だったりと、小物には事欠きませんのでこのあたりお好きな方は退屈しないことでしょう。あと、最後のカタストロフに向けての盛り上げ方が半端ないですねw。今になって読んでよかったと思える珍しい1冊でした。

アマゾン紹介文より
『ニューヨークの学校で講座を持つジェラミイは、田舎町の貸家で、休みのあいだゴティック・ロマンスの研究にいそしむことにした。バスに揺られて着いた先は、古くからの信仰を守る、小さな共同体だった。そこで彼は墓地を見つけた。百年も前の同じ年、子供たちを含む一家8人が没していた。ひとりの男の子が火をつけて大火事を起こしたという。いっぽうニューヨークでは、謎めいた“老いた者”が「儀式」の準備をととのえていた。彼は独白する。既に男は選んである。女を見つけなければならない…。英国幻想文学大賞を受賞した、ホラー巨編登場。』

 

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T・E・D・クライン「復活の儀式」01

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T・E・D・クライン「復活の儀式」02