矢野徹「自殺潜水艦突撃せよ」 (角川文庫1980年)

こんばんは、皆様、三頌亭です。これも以前読んだものなかからご紹介いたします。SF作家・矢野徹のものとすれば代表作とは言えないでしょう。古い読者ならマンガになった「地球0年」や劇場アニメになった「カムイの剣」のほうがよくご記憶のことでしょう。

 

この作品集はマンガ雑誌「少年」に掲載された「自殺潜水艦突撃せよ」と「南太平洋0号作戦」を収録しています。戦争という現実に想を得たファンタジーというか、少し分類の難しいユニークな作品となっております。特に「自殺潜水艦突撃せよ」のラストには素直に感動させられました。なにかこう彼の翻訳したロバート・ネイサン「夢の国をゆく帆船」に通ずるものがあって面白い作品です。

 

追記:文庫の表紙と内容のミスマッチが素晴らしいですww

 

出版社紹介

『第2次世界大戦のさなか、敵の銃弾や飛行機が飛び交う中、海上に不時着した味方の兵士の命を救う使命をおびた潜水艦があった。その名は通称・自殺潜水艦。本当の名を強行救助潜水艦といった。が、実際には救助作業は敵味方の区別はつけられなかった。捕虜となるのを潔しとしない敵国兵士。また、敵と誤認して発砲してしまう味方兵士ら…自殺潜水艦の乗組員(クルー)には、さまざまな困難と危険が待っていた。人命の尊さと、人間の勇気とを讃える感動の戦争冒険小説。「南太平洋0号作戦」を併録。』

 

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矢野徹「自殺潜水艦突撃せよ」