平井呈一「真夜中の檻」

こんばんは、皆様、三頌亭です。これも以前出ていた時に紹介しなかった本なので紹介しておきます。久しく以前に読んで感動した作品です。紀田順一郎が編集したアンソロジーで「真夜中の檻」と「エイプリル・フール」を読んだのですが、一読その鏡花風な怪異譚に大変関心したものでした。このあたりは推理界・昭和44年8月号(再録)の紀田順一郎の解説をお読みいただくのが最も近道でしょう。「真夜中の檻」について読んだ当時は少し小栗虫太郎の「白蟻」に感じが似ているなと思ったものでした。翻訳家としてはたくさんのものがある平井呈一ですが、創作については「真夜中の檻」と「エイプリル・フール」のたった2編しか残しませんでした。少し残念なことですね。もう1篇の「エイプリル・フール」もドッペルゲンガーを扱った少し悲しい怪談ですが、これも素晴らしいです。今は纏められて『真夜中の檻』 (創元推理文庫)で読むことができます。いかがでしょうか?。

 

追記:『世界怪奇実話集 屍衣の花嫁 (東西怪奇実話) 』(創元推理文庫)もちょうど新しくまとめられて復刊しておりますのでお知らせしておきましょう。

 

出版社・紹介

「本邦ホラー屈指の傑作として名高い「真夜中の檻」。都会の片隅に芽生えた悲しくも不可思議な恋の物語「エイプリル・フール」。恐怖と浪漫の横溢する創作全二篇に、英米の怪奇作家とその作品、さらには幽霊実話を造詣深く語るエッセイを併録。『吸血鬼ドラキュラ』等の名翻訳家、海外怪奇小説紹介の先駆者として知られる平井呈一の全容を明らかにする、ホラー・ファン垂涎の一冊。」

 

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平井呈一「真夜中の檻」01

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平井呈一「真夜中の檻」02

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平井呈一「真夜中の檻」03

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平井呈一「真夜中の檻」04

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平井呈一「真夜中の檻」05