ジョン・メトカーフ「死者の饗宴」(ドーキー・アーカイヴ:国書刊行会)

こんばんは皆様、三頌亭です。今回は国書刊行会のドーキー・アーカイヴの一冊、ジョン・メトカーフ「死者の饗宴」です。その昔、新人物往来社の『怪奇幻想の文学1 真紅の法悦』に「死者の饗宴」という短編が載っていて印象に残ってまして、まとまった作品集が出ないかなと長い間思ってました。表題作「死者の饗宴」は『忌まれた家』とでも言えばいいのでしょうか、なんとも気味の悪いお話でびっくり致しました。今回の収録作の中では神秘な力を持つ宝石にまつわるお話の「煙をあげる脚」が幾分ファンタジックな物語で好きになってしまいました。

 

ところで、ジョン・メトカーフの作品集は版権が切れてますのでちょっとネットで探すと2,3冊はすぐ見つかります。「煙をあげる脚」だけはだいぶ前に読んだのですが残りを読むのがなかなか面倒だなーと思っているうちにまとまった翻訳が出たという次第ですw。

 

出版社紹介

『20世紀英国怪奇文学における幻の鬼才、

知られざる異能の物語作家、ジョン・メトカーフ。

不安と恐怖と眩暈と狂気に彩られた

怪異談・幽霊物語・超自然小説の傑作を集成する

本邦初の短篇集がついに登場!

〈要注意! 錯乱と妄想、腐敗と穢れに満ちた世界に触れたくなければ、本書を読んではいけない……〉横山茂雄

その刹那、わたしの眼に映った息子の顔に浮かんでいた恍惚の表情は美しかったが、同時に年老いてもいた……少年と彼に取り憑いた正体不明の存在〈あれ〉との顛末を妖しく語り、読者の想像を超える衝撃的な結末を迎える代表作中篇「死者の饗宴」のほか、〈サトレジ号でたぶん1898年だった〉という謎の言葉と不気味な子供に翻弄される男を描く狂気に満ちた怪異談「ブレナーの息子」、ビルマの神秘な力を持つ宝石と護符をめぐる奇妙な物語「煙をあげる脚」など、知られざる英国怪奇文学の名手による異形のホラー・ストーリー、幽霊物語、超自然小説を厳選した全8篇。

収録作品

「悪夢のジャック」「ふたりの提督」「煙をあげる脚」「悪い土地」「時限信管」「永代保有」「ブレナーの息子」「死者の饗宴」』

アーカムハウス版「死者の饗宴」

国書刊行会「死者の饗宴」