「津山事件の真実」(事件研究所:2013)

こんばんは皆様、三頌亭です。皆様、暑い日が続きますが、いかがお過ごし越しでしょうか?。ちょうど今台風が東海地方に上陸したとかで、コミケ初日はどうするのかというお話が出てましたがいちおう無事開催されたようです。今日のお題は同人誌「津山事件の真実」です。ところでこれは当方の認識不足なんですが、最近のコミケこんなものまで売ってるんですね~。びっくりしました。ほとんどの商業誌が二の足踏みそうなテーマが面白いです。

 

この「津山事件の真実」の新しい点は付録の部分に丸ごと収められた「津山事件報告書」(司法省刑事局)であります。スタンフォード大学までいって全文をコピーして掲載してあります。案外、面白いのがこの報告書の探索行のくだりじゃないかと個人的には思っております。松本清張の「ミステリーの系譜」や筑波昭著「津山三十人殺し」の一次資料となっている「津山事件報告書」の内容をオープンにしたことでそれぞれの著作の答え合わせができます。

 

ところで集中にはこの事件をモデルにしたフィクションについての言及があります。勿論もっとも有名なものは横溝正史の「八つ墓村」でしょうが、西村望丑三つの村」なんかもよく切り込んだ犯罪心理が素晴らしいです。古尾谷雅人熱演の映画もよくできてましたw。

ただ島田御大の「龍臥亭事件」についてはフィクションにもノンフィクションにもなりきれていないとしてばっさり切り捨てているのが印象的でした。蛇足ですが最も誤謬がなく短くまとまったノンフィクションとして松本清張「ミステリーの系譜」をお勧めしておきます。

 

さてマニアな方いかがでしょうか?

「津山事件の真実」

筑波昭著「津山三十人殺し

松本清張「ミステリーの系譜」