梶龍雄「葉山宝石館の惨劇」(徳間文庫:2023/8/8)

こんばんは皆様、三頌亭です。皆様、あけましておめでとうございます。最近更新の少なくなったブログですが、本年もよろしくお願いいたします。さて、ここ2年間、徳間文庫から驚愕ミステリ大発掘コレクション(3冊)、青春迷路ミステリコレクション(2冊)と称して梶龍雄作品の復刊がされております。新本格の時代に結構真面目に本格やってた人なのですが、評価されることの少なかったことが残念だったと三頌亭はよく思ったものですw。「葉山宝石館の惨劇」・・・奇抜なプロットが大好きな方いかがでしょうか?。この人も個人的にはいろんな思い出と重なってどの作品がいいか選ぶのに困ってしまいますが、戦時中のナンバースクールを舞台にした「リア王密室に死す」や戦後すぐの青春を描いた「海を見ないで陸を見よう」が非常に生き生きとした描写で大好きでした。作者はちょうど三頌亭の父親あたりと同年代なので、戦時中に学生だった世代です。暗い時代であったにもかかわらず書かれたものは読後に鮮烈なイメージを与えるのはやっぱり作者の青春時代であったことによるものなのでしょう。

 

追記:「灰色の季節―ギョライ先生探偵ノート」も復刊していただけないでしょうか?もう一度読みたいのです。

 

梶龍雄「葉山宝石館の惨劇」出版社紹介

「少年だけが、全てを見ていた……帆村財閥の異端児・建夫が葉山に設立した私設宝石博物館――収蔵品の剣・銃・斧を使い、長女・光枝の三人の恋人候補が次々殺されていく。

「なぜ三重密室を作らねばならなかったか?」Why(理由)を問うユニークな“密室動機講義”から導かれる、仰天の真相とは?

昭和が終わった年/新本格勃興期、新書ミステリの雄が放った、稚気と本格推理への愛全開の熱き挑戦状(ラブレター)。解説 今村昌弘」

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