トマス・フラナガン「アデスタを吹く冷たい風 」(ハヤカワ・ミステリ文庫)

こんばんは、皆様、三頌亭です。今日は以前読んだものの中から紹介いたします。作者は推理小説プロパーではありませんので、この作品集のみがミステリー分野での全集となります。トマス・フラナガンは大学の先生でアイルランド文学の研究者でした。「アデスタを吹く冷たい風 」には以下の7編が収録されています。そのうちテナント少佐の活躍する短編は「*」をつけた4編となります。

 

玉を懐いて罪ありThe Fine Italian Hand(1949年)

アデスタを吹く冷たい風 The Cold Wind of Adesta(1952年)*

良心の問題 The Point of Honor(1952年)*

獅子のたてがみ The Lion's Mane(1953年)*

うまくいつたようだわね This Will Do Nicely(1955年)

国のしきたり The Customs of The Country(1956年)*

もし君が陪審員なら Suppose You Were on the Jury(1958年)

 

三頌亭がもっと好きな短編は「玉を懐いて罪あり」です。密室のトリックもさることながら最後に記名された名前に良質の歴史ミステリであることを感じます。因みに表題「玉を懐いて罪あり」は中国の故事「匹夫罪なし、玉を懐いて罪あり」に依ります。

 

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トマス・フラナガン01

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トマス・フラナガン02