戸川昌子「くらげ色の蜜月」(竹書房文庫)「緋の堕胎--ミステリ短篇傑作選」(ちくま文庫)

こんばんは、皆様、三頌亭です。今日は最近復刻された戸川昌子作品集の2冊です。以前のブログでだいぶ紹介してしまいましたので、「最近こんなのが出てるよ」ぐらいのところでお願いいたします。表紙の派手さとは違って「緋の堕胎--ミステリ短篇傑作選」(ちくま文庫)のほうがインパクトが強いものが多いでしょう・・・たぶん。クイーン激賞のアンソロジーピース「黄色い吸血鬼」をはじめとして非常に個性的な作品がそろってます。表題作「緋の堕胎」・・・グロいですww。それに比べて「くらげ色の蜜月」(竹書房文庫)は少し戸川作品を読んだことがある人向きでしょうか?。比較的珍しい作品が集められています。個人的には「隕石の焰」「くらげ色の蜜月」「蟻の塔」「悪魔のような女」あたりが記憶にあるでしょうか?。余談ですが双葉文庫の3流週刊誌のような表紙が懐かしいです。

 

「くらげ色の蜜月」収録作品

隕石の焰

鷗が呼ぶ

くらげ色の蜜月

エスカルゴの味

蟻の塔

ウルフなんか怖くない

悪魔のような女

聖女

蟻の声

赤い的

蜘蛛の糸

奇妙な快楽

蠟人形レストラン

情事の絵本

 

出版社紹介

『倫理もなく、理屈もない。奇妙な出来事が、ただそこにある――。初々しい新婚夫婦。しかしふたりは、たがいに秘密を抱えていた。そして男はなぜ新婚旅行先に忌まわしい思い出が残る旅館を選んだのか。旧い結婚観が招いた悲哀劇(表題作)。新発見の感染症の手がかりを追う保健所の職員は歪んだ虹色の世界を覗き見る(「蟻の塔」)。アメリカで妊娠した修道女は、日本で病床にある教主とのあいだにできた御子だと主張するが……。果たして、彼女が語るのは奇蹟か幻想か(「聖女」)。女の生涯には、常に蟻が這い回っていた(「蟻の声」)。

光に眩み、闇に溺れる。罪を犯して贖いて、果てに待つのはおぞましくも美しき混沌の世界。地獄極楽板一枚。ただひたすらに、酔え、惑え。文庫初収録三篇を含む、江戸川乱歩賞作家円熟期の短篇集。』

 

 

「緋の堕胎--ミステリ短篇傑作選」収録作品

『緋の堕胎』

『嗤う衝立』

『黄色い吸血鬼』

『降霊のとき』

『誘惑者』

『塩の羊』

『人魚姦図』

『蜘蛛の巣の中で』

『ブラック・ハネムーン』

 

出版社紹介

「他の病院で断られたわけありの患者も引き受ける堕胎専門医、新興宗教にはまる妻、元患者の愛人、胎児の処理をさせられる書生……歪な病院で起きた患者の失踪の?末(表題作)。新婚旅行初夜の新婦を襲う救いようのない悲劇(「ブラック・ハネムーン」)。めくるめく官能と幻想、常人の倫理を超えていく不条理と奇想によって独自の世界観を作り出す官能ミステリの女王の傑作をこの一冊に凝縮。」

 

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「くらげ色の蜜月」(竹書房文庫)

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「緋の堕胎--ミステリ短篇傑作選」(ちくま文庫)