こんばんは、皆様、三頌亭です。最近、面白いなと思ったアンソロジーから紹介いたしましょう。「日本SFの臨界点」、怪奇篇と恋愛篇の2冊です。まずは「怪奇篇」から・・・。収録作品は下記の通り。珍しいものが多いですよ!。まずは光波耀子[みつなみようこ]「黄金珊瑚」ですね。これ読んだことがなかったのですが、なかなか面白いです。以前、出版芸術社から柴野拓美編集の「宇宙塵傑作選」が3巻本で出てましたが、あれに「聖母再現」という短編が載っていました。それしか読んだことがなかった作家です。中島らも「DECO-CHIN」なんかも面白いんですが、集中のイチオシ作品は石黒達昌「雪女」です。民間伝承とSFホラーを組み合わせた巧みな作品です。
余談ですが伴名練さんの解説がすごいですw。パワーに任せて読みまくりというか、感動してしまいますww。併設で伴名練「少女禁区」 (角川ホラー文庫)もよろしく。しかし「恋愛篇」の方には中井紀夫や和田毅(草上仁)まではいっていて驚いています・・・・今誰がよみますか?ww。
日本SFの臨界点[怪奇篇]:収録作品
・中島らも「DECO-CHIN」
(『蒐集家 異形コレクション』/光文社文庫/ 2004 年刊)
(〈小説CLUB〉1996 年10月号/ 1996 年刊)
・田中哲弥「大阪ヌル計画」
(『ホシ計画』/廣済堂文庫/ 1999 年刊)
・岡崎弘明「ぎゅうぎゅう」
(『SFバカ本 たいやき編』/ジャストシステム/ 1997 年刊)
(〈yomyom〉vol.40 /新潮社/ 2016 年刊)
・光波耀子「黄金珊瑚」
(〈宇宙塵 第46号〉/同人誌/ 1961 年刊)
・津原泰水「ちまみれ家族」
(『血の12幻想』/講談社文庫/ 2002 年刊)
・中原涼「笑う宇宙」
(〈奇想天外〉1980 年9月号/奇想天外社/ 1980 年刊)
・森岡浩之「A Boy Meets A Girl」
(『宇宙への帰還』/ケイエスエス/ 1999 年刊)
・谷口裕貴「貂の女伯爵、万年城を攻略す」
(『進化論 異形コレクション』/光文社/ 2006 年)
・石黒達昌「雪女」
(『人喰い病』/ハルキ文庫/ 2000 年刊)
出版社紹介
「2010年代、世界で最もSFを愛した作家」と称された伴名練が、全身全霊で贈る傑作アンソロジー。日常的に血まみれになってしまう奇妙な家族のドタバタを描いた津原泰水の表題作、中島らもの怪物的なロックノベル「DECO‐CHIN」、幻の第一世代SF作家・光波耀子の「黄金珊瑚」など、幻想・怪奇テーマの隠れた名作11本を精選。全作解題のほか、日本SF短篇史60年を現代の読者へと再接続する渾身の編者解説1万字超を併録。