M W クレイヴン「ストーンサークルの殺人(The Puppet Show)」 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

こんばんは、皆様、三頌亭です。今日は珍しく新刊からです。マイク・クレイヴン「ストーンサークルの殺人」ですね。この本はゆきあやさんのところで記事を拝見して面白そうなので読んでみました。派手に「Winner of the CWA Gold Dagger Award 2019」と書いていてこれはこれですごいなあと妙に感心してしまいましたw。

さて内容ですが、非常に短い章にまとめられておりまして、大変読みやすかったです。ワシントン・ポーとティリー・ブラッドショーの凸凹コンビが活躍するクライムノベルですね。全体の半分ぐらいまでは割合ゆっくりストーリーが進むのでありますが、後半に入って俄然読む速度が加速しまして一気読みでしたw。

半分くらい行ったところで勘のいいひとは犯人わかってしまうんでしょうが、後半のキモはやはり犯人の独白(じゃないですが・・)にあるのではないかと思います。犯人の境遇がかなりグロテスクかつ陰惨なことになってましてすごいです。個人的にはチャリティー・オークションというのがなんとも趣味が悪くて慄然と致しました。なので、この作品は本格ミステリーというよりもクライムノベルの面白さに近いと言っていいと思います。そのほか著者が最後の方でエドマンド・バークの『悪の勝利に必要なのは、善良なる人々がなにもしないことである』という言葉を引いているのが印象的でした。

 

というわけで勢い余って次作の「ブラックサマー」と「キュレーター」まで買い込んでしまいました。アンソニーホロヴィッツといっしょで積読本になるかもしれませんが・・・ebookはスペースを取らないのでまあいいかと自分に言い訳をしている三頌亭ですw。

 

 出版社紹介

「英国カンブリア州に点在するストーンサークルで次々と焼死体が発見された。犯人は死体を損壊しており、三番目の被害者にはなぜか停職中の国家犯罪対策庁の警官ワシントン・ポーの名前と「5」と思しき字が刻みつけられていた。身に覚えのないポーは処分を解かれ、捜査に加わることに。しかし新たに発見された死体はさらなる謎を生み、事件は思いがけない展開へ…英国推理作家協会賞最優秀長篇賞ゴールド・ダガー受賞作。」

 

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The Puppet Show01

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The Puppet Show02