角田喜久雄「霧に棲む鬼」(春陽堂文庫:1976 初出1952)

こんばんは皆様、三頌亭です。今日は角田喜久雄の「霧に棲む鬼」です。春陽堂文庫にはほかの文庫では読めない少し変わったミステリー系の作品が入っていてよく読みました。角田喜久雄大下宇陀児、ミステリー系ではありませんが三橋一夫などですね。角田喜久雄は伝奇小説の作家として有名なのですが、ミステリー作品も書いておりまして「霧に棲む鬼」はそのひとつです。コーネル・ウールリッチもかくやとばかりの巻き込まれ形のサスペンス小説ですが、ちょっと1950年代のモノクロハリウッド映画みたいな感じがよろしいですw。自殺を決意したヒロインが次々と事件に巻き込まれていくのですが、それを操る黒幕の復讐方法がちょっと類例がなくてびっくっりした記憶が残っています。探偵小説マニアな方いかがでしょう?。

蛇足で申し訳ないのですがいわゆる伝奇三部作(『妖棋傳』『髑髏銭』『風雲将棋谷』)面白いです。伝奇小説お好きな方にお薦めしておきます。

角田喜久雄「霧に棲む鬼」(春陽堂文庫)