西村賢太「誰もいない文学館」(本の雑誌社 2022)

こんばんは皆様、三頌亭です。今日は以前読んで記事にしていなかった本です。西村賢太「誰もいない文学館」ですね。亡くなられた後に出版された本のようです。実はこの人の本を読むのはこれがはじめての三頌亭ですw。以前から復刻の探偵小説のあとがきや解説を彼が書いているのが不思議でしかたなかったのですが、この本を読んで納得いたしました。西村賢太さんの古書による自分の精神史(私小説)といってもいいのでしょう。こう言ってはなんですが思いのほか研究者向きの人だったんですねw。あまりはっきりとは書いておられませんが、マイナー文学館といいながら過去の大家についてもよく読んでおられる節があって感心してしまいました。ご参考までに取り上げられている作家のリストを下にお示しいたします。文章もともにアナログな昭和の時代を楽しんでいただければ幸いです。

出版社紹介

小説にすがりつくように生きてきた私小説書きが自身にとって重要な書物を紹介する偏愛書録。「小説現代」連載の「誰もいない文学館」と「本の雑誌」連載の「文豪ばかりが作家じゃないと、いつか教えてくれた人たち──幻の筆跡を通じて」を収録

[目次]

第一回 藤澤淸造『根津権現裏』

第二回 藤澤淸造『根津権現裏』

第三回 藤澤淸造『根津権現裏』

第四回 呉承恩 田中英光西遊記

第五回 朝山蜻一『キャバレー殺人事件』

第六回 大木雄二『童話を書いて四十年』

第七回 村山槐多『槐多画集』

第八回 倉田啓明『地獄へ堕ちし人』

第九回 田畑修一郎『石ころ路』

第十回 宇留野元一『樹海』

第十一回 大坪砂男『閑雅な殺人』

第十二回 久鬼高治『北十間川夜話』

第十三回 横川巴人『夢 横川巴人作品集』

第十四回 尾形亀之助『雨になる朝』

第十五回 川村花菱『川村花菱脚本集』

第十六回 尾崎一雄『子供漫談』

第十七回 城昌幸『みすてりい』

第十八回 八木義徳『美しき晩年のために』

第十九回 藤森淳三『文壇は動く』

第二十回 『甘棠集』(佐々木味津三 追憶文集)

第二十一回 相馬泰三『鹿子木夫人』

第二十二回 松永延造『時頼と横笛』

第二十三回 武田武彦『踊子殺人事件』

第二十四回 島田清次郎『晶玉集』

第二十五回 上野成子『鹿鳴草』

第二十六回 岩崎英重『坂本中岡両先生遭難顚末』

第二十七回 芳賀書店田中英光全集』内容見本

最終回 西村賢太編『藤澤淸造全集内容見本』

 

付録 「文豪ばかりが作家じゃないと、いつか教えてくれた人たち──幻の筆跡を通じて」


第一回 籘澤淸造(1)

第二回 籘澤淸造(2)

第三回 永瀬三吾

第四回 大河内常平

第五回 石浜金作

 

西村賢太「誰もいない文学館」