紀田順一郎『われ巷にて殺されん』(双葉社 1983)

こんばんは、皆様、三頌亭です。今日は紀田順一郎の「われ巷にて殺されん」です。特にというわけではないのですが、たまたまブックオフで見つけたもので・・・(^^;)。この作品は改題されて「夜の蔵書家」(古本屋探偵の事件簿 :創元推理文庫)といいます。ちょっとチープな昔の双葉ノベルズの装丁が好きなものですからついつい買ってしまいますw。もういまでは古書店とミステリーの取り合わせも一般的になりまして、三上さんの「ビブリア古書堂」のシリーズをはじめいろんなものがありますが、紀田順一郎の須藤康平がそのはしりでしょう。ただこれは昭和の古書店のお話で、全体としてはロス・マクドナルドリュウ・アーチャ風でしょうか?。謎の出版人を求めて調査していくところがなかなか読ませます。また古書の世界の登場人物はわかるひとにはだれをモデルにしてあるかよくわかる作品となっていて興味が尽きないであろうと思います。須藤康平のシリーズでは「書鬼」があまりにもインパクトが強かったものですから、忘れていた作品なのですが、今読むと非常によくできたミステリーだと思えてくるのが不思議ですw。

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紀田順一郎『われ巷にて殺されん』01

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紀田順一郎『われ巷にて殺されん』02